May 2009

May 29, 2009

ステンレスの上で泳ぐ、大きなしっぽの金魚たち。

電脳世界離れが著しい今日この頃。
映画と人形カスタムに忙しい。

そんな中、2本、撮影をしてきました。
やっぱり楽しいなぁ。
野外で1本、屋内で1本。
人と関われる趣味って、大事のようです。
一人でウォォォ状態になっていると、
どうしていいのか、わからなくなってしまって、
無限ループに落ち込んで、
でも、この興奮はおさまらない、どう発散したらいいんだ?
と胸のうちがぐつぐつしてしまう事が多いので。



少し、精神をおちつかせようと、
冷蔵庫を2台、立て続けに掃除してみた。
冷蔵庫の中は白くて冷たくて、理想のテクスチャーで私を迎える。

透明のプラスティックの仕切り板を
お菓子みたいな黄色いスポンジで磨いていたら、
子どもの頃、飼っていた金魚の水槽を思い出した。
シルクのような金と赤のしっぽを持った
ふくふくとした彼らが何も知らずに悠々と泳いでいたあの夏の日。
指先立ちで背伸びをして一生懸命見ていた自分。
溶岩色した夕焼けが廊下に伸びる。

祖父が仏壇に上げた線香の匂いも、
祖母が揚げてる天ぷらのぱちぱちといった音さえも、
すべてここにある気がして、
しかしながらそれは記憶であるので、それ以上、何も進まず、
自分の空洞の中で踊る残響だという事に、
白熱灯に照らされたステンレスの蛇口に映る、
仕切り板をこすっている自分を見て思う。

記憶の棚はいつでも
私のポケットの中にあって、開けられる。
全てが詰まっている訳ではなく、
何か大事な記憶を思いだせるかもしれない、
可能性のある鍵のようなもの、が入っている。

多い出せたら、幸運だ、といったレベルの。

思い出すもの程、大きな鍵だったり、
手に取りたくなるデザインをした鍵だ。

金魚のしっぽに映った夕焼けはどろどろと赤かった。
金魚の鍵は上手い事、鍵穴を見つけて、
そういえば、という記憶を思い出した。
同居人に話をすると、「原稿におこせ」と言ってくれたので、
近日中にあの記憶は、紙の上に乗せられる。
大人になった私に、創作というスパイスをかけられて。

きっと私は次回、冷蔵庫の掃除をして、
透明の凍りついた仕切り板を掃除した時に、
同居人の煙草を吸っていた指と金魚を
思い出すに違いない。

記憶は絡まるのだ。


画像は知人の「のの」。
カスタムしてみた。
目がでっかい子だった。


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at 09:48|Permalink

May 26, 2009

深夜、画面に向かって悶絶。

あれから黙々とシリアルキラーとFBIで
脳味噌は満席だ。

読んで見て調べて。
なんと幸福なことだろう!


「羊たちの沈黙」を見直し中。
若かりし頃に見ただけでは気がつかなかった
キャストの感情の動きが素晴らしく、
あまりの美しさに打ちのめされる。
パーフェクト!パーフェクト!パーフェクト!
私のこんな子供を生みたいナンバー1の
レスタト・ド・リオンクールのように叫んだね。

檻の中からクラリスの指を撫でるあの動き!!!
理想以外の何物でもない。
最高の恋愛だ・・・。
理想的過ぎる。


レクターのフィギュアを買おうか悩み中だが、
顔がアンソニーじゃないんだよ!
2800円で18cm。
7000円程で45cmの特別版もあるらしい。
しかも特別番はあの拘束マスクがついている。
・・・欲しい。


at 02:49|Permalink

May 24, 2009

一日2回、お風呂に入った今日は。

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ここはどんなブログなのと聞かれたから
湖の底、揺れることもなく、
ただゆらゆらと光が僅かに差し込むだけ、
と答えたら笑ってくれた。

泥はやわらかくぬちゃぬちゃとしていて
入ってきた何者をも優しく汚す。
そんなことが出来たなら、どんなに幸せなことだろう。


いま、行きたいところは砂丘。
無風で曇り空の駱駝もいないそんな砂丘。
砂丘に行って何をするのかというと、
宝物のベットカバー、
紅茶染めしたようなコットンに
チョコレート色の刺繍があるあれを敷いて、
大きな白い枕で昼寝をしつつ、
自家製サングリアで酔っ払い、
黒目がちのおんなのこに嘘つきみたいなひどいキスをした直後、
ふと、カメラレンズを睨みつけた時の、
自分の顔を写真に撮りに行く、というもの。

キスが大事です。
酷くて汚すような、焦りのあるそんなキスです。



無意識に髪を撫でる癖があるのだが、
するすると撫でていると
あるはずのところにない私の髪。
毛先20cm、しかも痛んでてて切るしかなかったあななたちが
いないだけでこんなにも、物足りないとは。

切られた私の髪先は、今頃きっと、
生ゴミと一緒に灰になって眠っている。



at 02:15|Permalink

May 22, 2009

切り落とされた私の髪と切り落とされた金色の指輪をしたあなたの左手。

髪を切りました。20cmくらい。

2、3cmでお願いしますと言ったら
汚いからここまで切れ!とブラ線のあたりを言われ、
それは絶対無理!!勘弁して!!!と言ったら
じゃあウエスト位までは?と言われて
私、ウエスト存在していないから
腰までにしてくれ、と言ってみた。

で結果、腰まで、で。
バサリバサリと切られる髪を見ながら
指を切られている気分でした。
床に落ちた髪に思わず
「バイバイ今までありがと」と言ったら泣けてきた。
振りかえれば美容師さんの冷たい視線。
だって10年以上一緒に生活をしてきた友なのよ。


「ハンニバル」

見ていて思い出した。
私のじじい好きの原点はレクター博士だったと。
「羊たちの沈黙」のね。

ハンニバルはかなり攻め手のレクター博士。
おしゃべりになった?
彼の受身でありながら完全で完璧な部分に
恍惚としていた私にとっては
・・・・誰だお前。
と言ってしまった。

全体は大衆ウケサスペンス映画微妙にグロあり、
と言ったところでしょうか。
羊~のような独特のみっしりとした空気感は無かった。
最後20分だけは羊風味だった気もする。
靴のプレゼントはガックリしたけどね。
レクター博士だったらレクター博士らしいプレゼントがよかったなあ。
癖のあるデザインの時計とかアクセとか?
クラリスの好みを把握しないで贈ってほしかった。

切り落とされたあの手の行方、どうなるのでしょう。
ちなみに私はまだ、レッドドラゴンは見ていません。


今日買った本。

FBI心理分析官
死の腕
オリジナルサイコ~異常殺人者エド・ゲインの素顔

要するにどっぷり。
一度卒業したジャンルなのに。
どうやら、私は私のようです。

at 01:42|Permalink

May 18, 2009

場所を作る。

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パソコンスペースを復活した。
この冬はあまりの寒さにお布団の中で
電脳世界を貪っていたので。

やっぱり、机はやりやすいよ。
マウスがどっかにいったりしないもの。
寝落ちるのがないのも素敵。



生きていくのには最低限のお金が必要で
それがないと、まわりの人に迷惑をかける場合もある。
しかし、金に囚われた人は醜い。
事柄をすべて現金還元する人は美しいという意味を
知らないも同然である。
しかも美しいと金が同居する事態はまれだ。
どちらかを手に入れれば、均整を失って崩れる片方。
不思議だ。

私は金があると選ぶ行為をしなくなるので
感覚が鈍くなる。
なんとなく進み、なんとなく受け入れる。
自分の葬式代くらいまではとそろそろ考えているが、
未来のお金を貯めるのもえげつない気がしてたりもする。
当然の行為なのだが、
自分の未来に掛け金をしているようで
性に合わないのだった。

まあ、そんな事も言ってられないのだろうが。
貯めてすべてを自分の人生で使う可能性って何%なんだろ。


at 02:53|Permalink